2012年6月20日水曜日

廿三夜塔 / 時坂

廿三夜  時坂講中  万延元星庚申五月良辰 

 下の方は苔に覆われ、小さい字は読み取れません。時坂・・・時の坂道・・・いい地名です。万延元年庚申(かのえさる)は1860年。 良辰・吉辰は良い日、吉日の意。


 「女人が中心で講をつくり、宵のうちから村のお堂などに集まり、念仏を唱え、飲食をともにしながら月の出を待つ。封建の世に女たちが、月にことよせて、わずかに自由を楽しむ夜でもあった。・・・檜原の月は美しい。・・・森閑とした森の沈黙を照らし、秋川の面には気ぜわしく銀波が砕ける。女人たちが頬を染め、歓声をあげる姿が彷彿として浮かび上がってくる。檜原の月は、東から西へ、浅間尾根の上空を縦走していく。」

 檜原村紀聞 瓜生卓造 昭和52年東京書籍



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